相続した不動産の売却 完全ガイド──買取側の宅建士が、売り方の全体像を1枚に

相続の味方|買取と仲介 買取と仲介

先に結論をお伝えします。

相続した不動産は、①名義変更(相続登記)→②売り方の選択(買取/仲介)→③税金の確認→④実行という4ステップで売れます。この記事は、買取側にいた宅地建物取引士(買取歴300件超)が、相続不動産売却の全体像を1枚の地図にまとめたものです。各テーマの詳細は、それぞれの個別記事で深掘りしていますので、「詳しくはこちら」から辿ってください。

親から実家や土地、マンションを相続した。でも「何から手をつければいいのか」「そもそも売れるのか」が分からず、止まってしまう——。相続不動産の売却は、やることが多く見えて、実は順番さえ分かれば迷いません。 まず全体の地図を頭に入れましょう。

まず全体像──売却までの4ステップ

STEP1 名義変更(相続登記)  ← 売るなら避けて通れない
   ↓
STEP2 売り方を選ぶ(買取 / 仲介)
   ↓
STEP3 税金・手取りの確認
   ↓
STEP4 実行(複数社の査定から)

ポイントは、契約はできても、決済(引き渡し・入金)には相続登記が済んでいる必要があること。だから登記を後回しにすると、いざ売るときに詰まります。各ステップの「実際にかかる時間の感覚」は、別記事「相続した不動産、売却の流れは?」で、買取業者の”時間の裏側”とあわせて解説しています。

ステップ1|名義変更(相続登記)──売るなら避けて通れない

2024年4月から、相続した不動産の名義変更(相続登記)が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります(過去の相続分は2027年3月31日まで)。そして売却では、亡くなった方の名義のままでは買主に所有権を移せないため、登記は必ず先に済ませる必要があります。

詳しくは「相続した不動産の名義変更(相続登記)が義務化」で。相続人が複数いる場合は「兄弟・複数人で相続した不動産の売り方」、1人でも同意が取れない場合は「1人が反対して売れないときの解決法」もあわせてご覧ください。

ステップ2|売り方を選ぶ──買取と仲介、どっちが正解か

売り方は大きく2つ。仲介(不動産会社に買い手を探してもらう)と、買取(不動産会社に直接買ってもらう)です。違いは、速さ・価格・手間のトレードオフに集約されます。

仲介 買取
価格 相場に近い(高め) 相場より下がる
速さ 買い手次第で時間がかかる 早く・確実
手間 内覧・交渉あり 現況のままでOK

相続では「早く・確実に・手間なく」の価値が大きくなりやすく、買取が向くケースが多いのは事実です。詳しくは軸記事「相続した不動産、買取と仲介どっち?」で。買取価格が下がる理由は「買取はなぜ安い?」、買取を選んだ後の業者選びは「失敗しない買取業者の選び方」で解説しています。

ステップ3|税金と手取り──売る前に確認しないと損をする

不動産を売って利益(譲渡所得)が出ると、譲渡所得税がかかります。ただし相続物件には、相続空き家の3,000万円特別控除取得費加算の特例など、税負担を軽くする制度があります。これらが使えるかで、手取りが数百万円変わることもあります。

費用と税金、そして意外な”お得情報”(残置物)まで、詳しくは「相続不動産を売ると、いくら手元に残る?」で。なお、具体的な税額の判断は税理士の領域です。本ガイドは一般的な情報提供にとどめ、実際の税額は必ず専門家にご確認ください。

物件タイプ別の注意点──あなたのケースはどれ?

相続不動産は、物件のタイプや事情によって、売り方の注意点がまったく違います。あなたのケースに近いものを選んで、詳しく読んでみてください。

◆ 戸建て・土地系

◆ マンション・権利系

◆ 状況が特殊な物件

◆ そもそも売る以外の選択肢

ステップ4|実行──複数社の査定から始める

ここまで読んで、自分のケースの地図が見えてきたら、あとは動くだけです。買取側にいた立場から断言できるのは——どのタイプの物件でも、最初の一歩は「複数社の査定で共通の物差しを作ること」だということ。

相続不動産の査定額は、業者によって数百万円違うことが珍しくありません。特に相続は「早く手放したい」という足元を見られやすい。だからこそ、1社の言い値で決めず、まず複数社の数字を並べてください。それが、損をしないための一番確実な出発点です。

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よくある質問(FAQ)

Q. 相続した家は、すぐ売らないとダメ?
売却自体に期限はありませんが、放置は損です。空き家は急速に傷み、管理不全空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になることも。また相続登記は3年以内が義務です。使う予定がないなら、早めに動くのが得策です。

Q. 名義変更をしないまま、売れる?
売買契約は進められても、決済・引き渡しには相続登記が必須です。故人名義のままでは買主に所有権を移せません。詳しくは相続登記の義務化をご覧ください。

Q. 兄弟で揉めていて売れない。
相続不動産を売るには相続人全員の同意が必要です。複数人での相続の進め方や、1人が反対しているときの解決法で、動かし方を解説しています。

Q. 税金はいくらかかる?
譲渡所得や特例の使い方で大きく変わります。考え方は手取りと税金の記事で解説していますが、具体的な税額は税理士にご確認ください。

この記事の書き手について

不動産買取の現場に長く携わってきた宅地建物取引士。これまで300件以上の不動産買取に携わり、その中で相続物件も数多く手がけてきました。仲介業者・弁護士から相続案件の紹介を受け、査定・仕入れ・再販を行ってきた「買い取る側」の視点で、相続不動産の売却を発信しています。なお、税金・登記・法律の具体的な判断は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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