相続した実家がゴミ屋敷だった──撤去費用100万円と、片付けずに売る方法

相続の味方|事情別の売却 事情別の売却

先に結論をお伝えします。

  • 相続した家がゴミ屋敷でも、売却は可能です
  • ただし自分で片付けると、撤去費用が100万円を超えることも珍しくありません
  • 片付けずに「現況のまま」買い取ってもらえば、この費用の持ち出しをほぼゼロにできます

親が亡くなって、しばらくぶりに実家を見に行ったら、室内が足の踏み場もないゴミ屋敷になっていた——。私は不動産を買い取る側にいて、こうした相続物件を実際に何度も目にしてきました。「これをどうすればいいのか」と途方に暮れる気持ちは、よく分かります。でも、大丈夫です。買取側だからこそ言える、費用を抑えて手放す方法をお伝えします。

(残置物や費用の全体像は「相続不動産を売ると、いくら手元に残る?」もご覧ください。)

相続不動産の売却全体の流れは「相続した不動産の売却 完全ガイド」にまとめています。

💡 ゴミ屋敷でも、まず査定から

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ゴミ屋敷の撤去費用は、100万円を超えることもある

まず、現実的な費用の話をします。ゴミ屋敷になった家を自分で片付ける場合、専門業者にゴミの撤去・清掃を依頼することになります。その費用は、決して安くありません。

一般的な目安として、戸建ての残置物撤去は20万〜60万円程度で収まることが多いですが、ゴミ屋敷化していたり、庭や物置まで物があふれていたり、特殊清掃が必要な状態だと、100万円を超えることも珍しくありません。 実際、私が相続物件を見に行って、室内いっぱいのゴミ屋敷で、撤去だけで100万円以上かかったケースもありました。

費用がふくらむのは、こういう理由です。

  • ゴミの量が多く、分別・搬出に人手と時間がかかる(1立方メートルあたり1万〜1.5万円が目安)
  • 大型の家具・家電の運び出し、2階からの搬出などで作業が難しくなる
  • 害虫・悪臭・汚れがひどいと、特殊清掃や消臭が別途必要になる
  • 家電リサイクル対象品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は別途リサイクル料がかかる

そして、この撤去費用は、相続した人(相続人)が負担することになります。

一番の問題は「売れる前に、先払いが必要」なこと

ここが、ゴミ屋敷売却の最大の落とし穴です。

仲介で売ろうとすると、ゴミがあるままでは、まず買い手がつきません。だから「売れる前に、自腹でゴミを撤去・清掃しなければならない」のです。100万円かけて片付けても、それで希望通りの価格で売れる保証はどこにもありません。「片付け費用を先に出す余裕がない」という理由で、売却に踏み出せない人がとても多いのです。

しかも、放置すればするほど状況は悪化します。ゴミ屋敷を放置すると、近隣トラブルになったり、資産価値がさらに下がったり、自治体から指導・命令を受けたりするリスクもあります。

解決策:片付けずに「現況のまま」買い取ってもらう(図解)

      相続した実家がゴミ屋敷
                │
                ▼
            どう売る?
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    ▼           ▼               ▼
 自分で片付けて  更地にして       現況のまま
 仲介で売る    土地で売る         買取
    │           │               │
    ▼           ▼               ▼
 撤去20〜100万+ 撤去+解体で      片付け費用の
 手出し先払い   数百万の出費      持ち出しゼロ
    │           │               │
    ▼           ▼               ▼
 売れる保証なし 固定資産税増の    早く・手間なく
              リスクも          現金化

この中で、費用の持ち出しを最も抑えられるのが「現況のまま買い取ってもらう」方法です。

ゴミ屋敷の買取に対応した業者なら、ゴミや残置物が残ったままの状態で、そのまま買い取ってくれます。 つまり——

  • 自分でゴミを片付ける必要がない(撤去・清掃は業者側が行う)
  • 片付け費用を先に出す必要がない(持ち出しがほぼゼロ)
  • 仲介手数料もかからず、早く現金化できる

「片付けるお金も気力もない」「とにかく早く手放したい」という相続人にとって、これが一番現実的な選択肢です。

例えば、こんな計算になる

イメージしやすいよう、例で考えます(あくまで説明のための例です)。

  • 通常なら1,000万円で売れる戸建て
  • ゴミ屋敷化していて、撤去・清掃費用が100万円かかる状態

【自分で片付けて仲介で売る場合】
先に100万円を出して片付け、その後売る。売れれば手元に残るのは売却価格からこの100万円と諸費用を引いた額。しかも売れるまで時間がかかり、その間も固定資産税がかかる。

【現況のまま買取の場合】
撤去費用の持ち出しはゼロ。買取価格は、業者が撤去・清掃費を織り込むぶん通常より下がりますが(ゴミ屋敷の場合、相場の7〜8割程度が目安)、自分で100万円を用意する必要がなく、すぐ現金化できる。

「手元に残る額」と「今すぐ100万円を出せるか」を天秤にかけて、自分に合うほうを選ぶことになります。

買取業者に頼むときの注意点

  • ゴミ屋敷の買取実績がある業者を選ぶ(撤去・再生のノウハウがある業者ほど、適正な価格を出せる)
  • 「一律◯割引」で機械的に安く買い叩く業者に注意(本来は物件ごとに評価すべき)
  • 買取価格と撤去費用の内訳を確認する(何にいくらかかるか明細を出せる業者は信頼できる)
  • 使える家具・家電があれば、リユース(買取)で費用と相殺できることもある

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売却の前に特殊清掃が必要なケースでは、先に見積もりで費用感を把握しておくと、その後の売り方(そのまま売るか・買取か)の判断がしやすくなります。

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最後に、買取側にいた私から一つだけ

ゴミ屋敷になった実家を前にすると、「こんな状態、誰も買ってくれない」「片付けるだけで貯金が消える」と、絶望的な気持ちになるかもしれません。私も現場で、途方に暮れるご遺族を何度も見てきました。

でも、知っておいてほしいのです。私たち買取業者は、ゴミ屋敷こそ”再生できる物件”として見ています。 ゴミを撤去し、清掃し、リフォームして、次の住まいへと生まれ変わらせる。それが私たちの仕事です。だから、あなたが恐れているほど、その家は「価値がない」わけではありません。

ただし、ゴミ屋敷の評価は、業者の再生ノウハウによって大きく変わります。慣れていない業者は「面倒だから」と安く叩くか、断ります。だからこそ、1社の査定で諦めず、ゴミ屋敷に強い業者を含めて複数社に査定を出してください。 片付けに追われて疲れ果てる前に、まず「現況のままいくらで買えるか」を、複数の業者に聞いてみてください。それが、費用も手間も最小限にする一番の近道です。

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📌 あわせて読みたい:片付けや解体をどうするか迷うなら、そのまま売る?解体して売る?──先に壊すと損する理由

よくある質問(FAQ)

Q. ゴミ屋敷を片付けずに売れますか?
売れます。ゴミ屋敷の買取に対応した業者なら、ゴミや残置物が残ったままの現況で買い取ってくれます。撤去・清掃は業者側が行うため、自分で片付ける手間も費用の持ち出しもほぼありません。

Q. ゴミの撤去費用はいくらくらいかかりますか?
戸建てで20万〜60万円程度が中心ですが、ゴミ屋敷化や特殊清掃が必要な場合は100万円を超えることもあります。自分で仲介で売る場合はこの費用を先に負担しますが、現況買取なら持ち出しを抑えられます。

Q. ゴミ屋敷は解体して更地にしたほうがいいですか?
更地にすると土地として売りやすくなりますが、ゴミ撤去費に加えて解体費(木造で100万〜200万円以上)がかかり、総額で数百万円になることもあります。さらに更地にすると固定資産税の軽減が外れて税負担が増える点にも注意が必要です。解体は慎重に判断してください。

Q. 撤去費用は誰が払うのですか?
相続した不動産のゴミ・残置物の撤去費用は、相続人が負担するのが原則です。ただし現況のまま買い取ってもらえば、この費用を業者側が引き受けるため、持ち出しを避けられます。

この記事の書き手について

不動産買取の現場に長く携わってきた宅地建物取引士。これまで300件以上の不動産買取に携わり、ゴミ屋敷化した相続物件も、再生して次の住まいへ繋ぐ形で数多く扱ってきました。仲介業者・弁護士から相続案件の紹介を受け、査定・仕入れ・再販を行ってきた「買い取る側」の視点で、相続不動産の売却を発信しています。なお、税金や解体の具体的な判断は、税理士などの専門家にご確認ください。

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